HOME > 会社設立 > 株式会社と合同会社(LLC)とは
合同会社は「LLC」と呼ばれ、新会社法により新設された会社形態であります。LLCは「Limited Liability Company」の略称で、欧米では株式会社と同じくらい活用されている会社形態となります。
合同会社が新会社法により新設された理由としては、近年、個人の技術やノウハウ等のような単純に金銭で換算出来ないものの価値が高まり、出資金額が少なくても会社の利益に貢献できる例が増えてきて、株式会社のように不特定多数に出資を募り資金を集めるということよりも、人的資源の有無が事業の成功に影響することが多くなっているという背景があります。そのような人的資源を効率的に活かせる会社形態が合同会社(LLC)と言えます。
定款とは、会社の憲法のようなもので、会社の根本規則を記載したものです。会社を設立する際は、発起人たちの意思で定款を作成しなくてはなりません。
定款は発起人達が全て自由に作って良いかと言うと、そうではなく、株式会社では法律によって記載しなければならない事項等が多数存在し、縛りがかけられていると言えます。従って、自分たちの会社と言えど、定款を自由に決めることは出来ません。
しかし、合同会社は株式会社と比較して定款作成にあたっての自由度が遥かに増します。ここで、よく例に出されるのが「利益配当」です。
株式会社は、原則として「出資した額に応じて利益の配当も同様の割合で受ける」とされていますが、合同会社では出資額が少なくても利益に大きく貢献できる場合には、利益配当の比率を増やすように設定することが可能なのです。
例えば、事業を成功させるための特殊なノウハウを持っているAさんと、お金はあるが、特殊なノウハウは持っていないBさんが共同で、1000万円必要な事業をしたとします。
Aさんは10万円出資し、Bさんは残りの990万円を出資しました。そして、Aさんの特殊なノウハウのお陰で、この事業で2000万の利益が出たとします。この2人が作った会社が株式会社だとすると、利益配当は出資した額の割合によって決まることになります。
Aさんが出資した金額は全体の1%、Bさんが出資した金額は全体の99%になり、仮に利益を全額配当できるとした場合、株式の99%を保有しているBさんは1980万円の配当を受け、株式の1%しか保有していないAさんは20万円しか配当を受けることが出来ません。Aさんの特殊なノウハウがあったからこそ事業が成功したにも関わらずです。
また、事業の方向性を決める意思決定においても、株主としての議決権は出資金額に応じて配分されていますので、ほとんどBさんが決定することになってしまいます。
これが、株式会社というものの性質です。お金があるから事業が出来て、利益が生み出される。だから利益はお金を出資するという経済的リスクを負った方が享受するという発想が株式会社と言えます。
合同会社の場合、株式会社のように「出資割合による議決権の数(多い、少ない)」という発想はなく、出資額に関わらず、出資者の全会一致で物事を決めていきます。そして、上記株式会社の例のような出資割合による利益配当も、合同会社では自由に設定することが出来ます。
先の例で言えば、事業の成功にAさんの特殊なノウハウは欠かせないので、利益はA・Bで折半ということも可能です。
株式会社の主役が「お金」であることとは対照的に、合同会社の主役は「人」と言え、人が主役となる合同会社は、必然的に「人」の能力が重要であると言えます。
株式会社 | 合同会社(LLC) | |
---|---|---|
出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 |
出資の目的 | 金銭のみ | 金銭のみ |
組織構成 | 法律による | 自由 |
利益配分 | 出資比率 | 自由 |
議決権 | 1株1議決権 | 1人1議決権 |
決算公告 | 必要 | 不要 |
社長の肩書き | 代表取締役 | 代表社員 |
※合同会社設立後、事業の成長により合同会社から株式会社へ組織変更することは可能です。
合同会社は定款を作成しても、公証人による認証が不要であるため、株式会社に比べて安く設立することができます。
株式会社 | 合同会社 | |
---|---|---|
定款に貼る印紙代 | 電子定款により不要 ※ | 電子定款により不要 ※ |
公証人手数料 | 5万円 | 0円 |
登録免許税 | 15万円 | 6万円 |
合計 | 20万円 | 6万円 |
※ 株式会社・合同会社共に、電子定款認証を利用すると印紙代4万円が不要になります。
※ ご自身でお手続きされる場合(紙の定款の場合)には、4万円分の印紙が必要になりますので、株式会社で24万円、合同会社で10万円の設立費用がかかります。
当事務所では合同会社の設立手続も完全代行することが可能です。
しかも、ご自身で設立手続をされる場合と比較して、3万円多く費用をご負担頂くだけで、プロが合同会社設立用の書類を作成し、さらには「当事務所に依頼する12のメリット」を利用することが可能となっております。
ご自身で手続 | 合同会社設立書類作成 | 合同会社設立完全代行 | |
---|---|---|---|
収入印紙代 | 4万円 | 0円 (電子定款対応のため) |
0円 (電子定款対応のため) |
登録免許税 | 6万円 | 6万円 | 6万円 |
当事務所にお支払い頂く 報酬 |
0円 | 7万円 | 10万円 | 合計 | 10万円 | 13万円 | 16万円 |
ご自身で会社設立された場合と比較 | +3万円 | +6万円 |
株式会社と合同会社のどちらで会社を設立して良いかお悩みの方はお気軽にご相談下さい。